NEWS

コラム

犯罪被害に遭われた方へ ―その他のご相談コラム

犯罪に遭われた被害者の方に,心よりお見舞い申し上げます。
ある日,突然,犯罪に巻き込まれる・・・
心身が傷つき,生活も混乱しているのに,警察から呼び出されて話を聞かれたり,加害者の弁護士から示談の申出があったり・・・
初めての経験でどうしていいか分からない,これからどうなっていくのか不安・・・
こんな時,弁護士に相談していただければと思います。

被害者の方には,犯罪によって被った損害を回復するための手段や,刑事裁判に参加するための制度などがあります。
刑事事件と民事事件が複雑に絡み合う分野であり,適切な時期に適切な対応をとれるかどうかがその後の損害の回復に大きく影響してくることも多いです。
一例ですが,弁護士は,以下のような支援ができます。

○示談交渉

弁護士が,あなたに代わって,加害者(または加害者の弁護人)と示談交渉をおこないます。加害者が,当初は示談金の提案をしていたのに,後になって前言を翻すなど,時機を失したために示談金を得られなくなることもありますので,事件の進展を見据えながら,早期に対応することが重要です。

○心情等の意見陳述制度

加害者が裁判を受けることになった場合,被害者は,法廷で,被害に関する心情その他の事件に関する意見を述べることができます。

○被害者参加制度

対象事件は,殺人,傷害,危険運転致死傷などの故意の犯罪行為により人を死亡させたり傷つけた事件,強制性交等,強制わいせつ,逮捕・監禁,過失運転致死傷などの事件です。
被害者の方は,公判期日への出席/検察官の権限行使に関して意見を述べ,説明を受ける/証人尋問/被告人に対する質問/弁論としての意見陳述ができます。
弁護士は,「被害者参加弁護士」として,被害者の方とともにあるいは被害者の方に代わって行うことができます。

○損害賠償命令制度

対象事件は,殺人,傷害,危険運転致死傷などの故意の犯罪行為により人を死亡させたり傷つけた事件,強制性交等,強制わいせつ,逮捕・監禁などの事件です。
刑事裁判の起訴状に記載された犯罪事実に基づいて,その犯罪によって生じた損害の賠償を請求するものです。
刑事裁判所が,原則として4回の審理期日で,損害賠償命令の申し立てについて決定をします。刑事裁判の資料を使えることから,被害者の方の負担が少ないです。
もっとも,決定に対して当事者のいずれかから異議の申し立てがあると,通常の民事訴訟の手続きに移ることになります。

突然,犯罪の被害を受け,とても心細いことと思います。
弁護士にご相談いただければと思います。

expand_less