離婚成立までには,長い時間を要することもあります。
そして,弁護士のところに来る前に,すでに心がかなり傷ついているのに,調停や裁判が始まって,さらに相手方の理不尽な言い分に傷つき・・・という方を多く見てきました。
離婚をめぐる争いは,精神的に非常にきついものだと思います。
こんな時に一緒に歩む弁護士の選択にあたっては,この弁護士なら一緒に考えてくれそう,自分の話に耳を傾けてくれそう,なんとなく良さそう,といった,まさに「相性」が大事なのではないでしょうか。
弁護士にも,色々なタイプの方がいます。そして,事案にもよれば,依頼者の方の価値観や性格,置かれた状況などによりますので,一概に,どのような弁護士が良いとは言えないと思います。
しかし,相談者の方から弁護士について,「上から目線で言ってきて,二度と会いたくない。」「自分の価値観を押し付けてきて,私の話を全然聞いてくれなかった。」「遠慮して,自分の言いたいことを言えなかった。」「弁護士の考えについていけなかった」などの言葉を聞くたびに,残念に感じます。きっとその方と弁護士との感性が合わなかったり,相性が良くなかったりして,その方にとっても弁護士にとっても不幸だったのではないかと思えるからです。
私たち弁護士は,ご本人の利益になるようにと努めているのですが,殊に離婚のような家庭の問題については,価値観の違いが大きく,一体何が正解か分からないという場面も多くあります。そんな中,依頼者の方と弁護士とで,手探りで方策を選択していかざるをえないのです。
そうであれば,価値観が近いなど,「相性」を大事にして,一緒に考えてくれる弁護士を選ばれるのも一つの方法だと思います。